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2013年9月6日

抜歯の時に、ワーファリンなどの抗血栓薬は服用中止しない!?

こんにちは!藤松です!!



今日は都内で最高気温が30度を下回り、「ようやく涼しくなる!!」かと思っていましたが、そんなことは無く蒸し暑かったです・・・。



さて!本日患者様から、「抜歯の時はワーファリンを止めなくて良いと言われてさ!てっきり手術と同じで服用を中止すると思っていたよ!」とお話がありました。



こちら、まだ賛否両論出ている議題ではありますが、現在は抜歯や歯周の外科的治療では、ワーファリンや抗血小板薬といった抗血栓薬を服用しながら行うことが指針とされております。(科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン,2010年版)



というのも、抜歯の際にワーファリンを中止するリスクの方が、中止せずに抜歯をしたときのリスクを上回っていると判断されたからです。



抜歯の際にワーファリンを中止した患者群の予後について記載されている論文がありまして、1998年にWahlという方が発表されています。


その中では、抜歯のときにワーファリンを中止した患者の1%で血栓・塞栓が発症し、血栓・塞栓を発症した患者の80%が重篤な状態になったというデータが出たそうです。




つまり、ワーファリンを中止した患者様の0.8%に重篤な血栓・塞栓症が出てしまったわけです!! 



抗血栓薬を服用中の方が、「服用を中止する」、「服用を再開する」ときに血栓・塞栓ができやすいリバウンド現象が起きますので、そのリスクを考慮すると抜歯の際は服用していた方が良いという考えが支持されつつあるようですね。



ただ、全員のワーファリンを服用中の方が抜歯の時に服用を中止しなくても良いかというとそうではなく、検査の結果にて判断されています。



ワーファリン服用中の方は定期的に「PT-INR」という、血液凝固能に関する検査を受けております。



PT-INR3.0までの患者様であれば、ワーファリンを服用継続しながら抜歯を行うことが出来ると判断されます。歯周病の治療に関してはPT-INR2.5以下が対照群となっておりますが、こちらはデータ数が少ないとのことです。


抜歯後の処置ですが、ワーファリンなどの抗血栓薬を服用していると血が止まりにくい・治療領域で内出血が起きやすいというリスクは、抗血栓薬を服用していない方と比べればリスクが高くなるので、処置の際は治療領域を小さくすることを心がけ、処置後は適切に素早く対処することが求められています。


要は、なるべく血が出る部位を小さくして、内出血が起きそうなことはせず、治療が終わったら素早く止血しろってことです。



このように、PT-INRの値という条件がありますが、ワーファリンや抗血小板薬を服用中の方は、血栓・塞栓のリスクを考慮して抗血栓薬を服用継続して抜歯を行うことが良しとされております。





抜歯では無い外科的な治療の際は、服用している抗血栓薬や手術の度合いにより休薬期間が変わってきますので・・・、ご注意下さい(^_^;)




では!今回はこの辺りで終わりにしたいと思います!!また次回、お会いしましょう!!