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2013年9月3日

薬を長期間出して貰うのは可能!?不可能!?

こんにちは!藤松です!!


今回は、「薬を2ヶ月とか3ヶ月といった長期間出して貰うことは可能なのか!?不可能なのか!?」という命題で、法律目線から記載していこうと思います。



というのも、患者様から「今飲んでいる薬を2ヶ月とか3ヶ月出してもらうのはダメなの??」という質問を受けることは、薬局薬剤師の方なら数多く経験しているはず。



大病院であれば、3ヶ月処方はよく見かけますが、町のクリニックであれば長くて1ヶ月だと思います。


「町のクリニックでも長期間出してくれよ!!」という声を良く聞きますが、なぜ長期間処方しないのかを見て行きましょう。




処方推奨日数は国で決められている!!



まずは、こちらの規則を見てみましょう↓


保険医療機関及び保険医療養担当規則 (外部リンク)
(昭和三十二年四月三十日) 
(厚生省令第十五号) 


こちらは昭和32年に発足された「保険医療機関及び保険医療養担当規則」なる規則になります。医師の診療行為に対する条文ですね。


こちらの第二十条の所に、投与日数についての記載があります。その部分がこちらになります↓

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第二十条 医師である保険医の診療の具体的方針は、前十二条の規定によるほか、次に掲げるところによるものとする。

(省略)

ホ 投薬量は、予見することができる必要期間に従い、おおむね、次の基準による。

(1) 内服薬及び外用薬は、一回十四日分を限度として投与する。

(2) (1)にかかわらず、次に掲げる場合には、それぞれの定めるところによる。

(一) 長期の旅行等特殊の事情がある場合において、必要があると認められるときは、旅程その他の事情を考慮し、必要最小限の範囲において、一回三十日分を限度として投与する。

(二) 厚生労働大臣の定める内服薬は、厚生労働大臣の定める疾患に罹患している者に対し、症状の経過に応じて、当該厚生労働大臣の定める内服薬ごとに一回三十日分又は九十日分を限度として投与する。

(三) 厚生労働大臣の定める外用薬は、厚生労働大臣の定める疾患に罹患している者に対し、症状の経過に応じて、当該厚生労働大臣の定める外用薬ごとに一回三十日分を限度として投与する。

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日数の所に赤い印を付けてあります。


処方日数は、内用・外用かかわらず基本的には14日処方が推奨されております。例外規定として、長期投与を認めているわけですね。



(2)の(一)は、以前「夏休みや年末年始の長期投与って可能なの?~特殊な事情が必要~」で記載しておりますので、詳しい説明は省略させてもらいます(^_^;)



(2)の(ニ)、(三)はどういうことかといいますと、その患者様の病気と薬、現在の状態を総合して考え、医師が症状が「こうなるだろうな」と予想出来る範囲で、内用薬であれば90日分まで、外用薬であれば30日分まで処方することが出来るということです。



医師が「体調からすると、この薬はこの日数までなら出しても大丈夫!」と判断した日数まで処方できるわけですね!!



ですので、飲み薬であれば90日分までは可能になります。



法律的な目線以外では、町のクリニックは地域住民のかかりつけ医として30日程度をサイクルに病院を受診して健康を管理するという立場があり、大病院では最新の医療技術を用いて重篤な病気を中心に診ることが求められているので、安定している患者様は長期間薬を処方しなるべく多くの患者様を診るという立場があります。


なので、大きな病院では比較的長期の処方が目立つ理由になります。



ちなみに、最近ニュースになっていました2016年度をメドに大学病院へ紹介状を持たずに初めて来院される場合、1万円程度の初診料を求める動きが出ているのも、上記のような理由があるためですね。



定期的に病院を受診することは、健康被害を未然に防ぐことが出来るキッカケになります。なので、「長期間出して欲しい!」と言う言葉をかかりつけの先生にぶつけるのではなく、健康上の悩みをかかりつけの先生にぶつけてみてはいかがでしょうか!?


そんなことを考えながら、今回はこの辺りで終わりにしたいと思います!!