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2013年3月5日

痛み止めで血圧があがった!?


こんにちは!!藤松です!!



最近、ようやく春になる兆しが出て来ました。日中は過ごしやすくなってきましたね~。



先日患者様から血圧に関してのご相談がありまして、最近暖かくなってきたのに血圧が悪くなったとご相談がありました。



血圧手帳を見せて頂くと、確かに11,12月のころと比べると収縮期が10程上昇していました。




他になにかお変わりは無かったか質問すると、整形外科からセレコックス(100)を処方され、最近飲み始めたと話しがありました。



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●この方の処方内容・及び身体情報

60代 男性 アルコール:週1 タバコ:-

・アムロジン錠5mg  1錠 分1 朝食後 28日分
・メバロチン錠10mg 1錠 分1 朝食後 28日分


併用薬:セレコックス錠100mg 2錠 分2 朝夕食後 28日分

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さて皆様、原因は一体何だと想像されますか!?






私は、代謝酵素(CYP)関係が影響を及ぼしているのかな~と考えて、そこから探ってみました。





まず、セレコックス(一般名:セレコキシブ)のインタビューフォームを確認いたしました。


・セレコキシブの代謝は、メインはCYP2C9によって行われる。軽度CYP3A4も関与する。

・セレコキシブにより阻害される代謝酵素は、CYP2D6の阻害作用が強い。CYP1A2、2C9、2C19、及び3A4の代謝活性も軽度阻害される。




次にアムロジン(一般名:アムロジピン)の代謝酵素をみてみると、CYP3A4で代謝されるとのことです!!



これは、セレコキシブとアムロジピンのCYP3A4の競合阻害によりアムロジンの効果が減弱したのでは無いかと予想を致しましたが、添付文章上にはそういった記載は認められません・・・。




まぁ、あくまで私の予想なので、続いてアステラス製薬DIへと電話し、セレコックスとアムロジン併用で血圧が上昇した報告が無いかを確認してみました!!



藤松:「セレコキシブとアムロジピンを併用することで、血圧が上昇したっている報告例はありますか?」


DI担当さん:「少々お待ちください・・・。(データを調べてる)、はい。そういった報告があります。」




な、なんと!!セレコックスとアムロジンの併用で血圧上昇した報告があるとのことです!!




DIの方の話だと、NSAIDsと降圧剤の併用により、収縮期血圧が5前後上昇することがあると報告があがっているそうです!!


痛み止めを服用することで、血圧が上昇することは、あり得るようです!!




薬剤師として、原因を把握しておかねばと作用機序を確認したのですが、現時点では原因が確定していないとのことでした・・・。




考えられる原因は以下の3点になるそうですので、ご紹介しておきます。


・血管が収縮する。

・COX阻害によるプロスタグランジン上昇に伴い、Na貯留が増加することに由来する。

・RAS(レニンーアンギオテンシン系)が関与している。



以上、3点の疑いがあるそうです。



・・・あれ?CYP阻害作用は無いでは無いですか!!



担当の方に、私が調べた予想をブツケてみたところ、


DI担当さん:「CYPの誘導については、3A4の誘導はあるが臨床的には問題無いレベルでの誘導と考えられています。」



!!!!!!!!




残念ながら、CYPに関係するという予想は全く外れておりました・・・。




NSAIDsで血圧が軽度上昇するリスクがあるというのは今回初めて知識として増えました。日々、勉強を続けなければなぁと、つくづく感じさせる出来事でした。




それでは!今回はこの辺りで終わりにしたいと思います!!また次回お会いしましょう!!