さて!今日も患者様からご質問のあった内容について記載しようと思います。
今回は、「ピロリ菌の検査で、息を吐いて検査したんだけど、他にはどんな検査があるんですか?」という質問がありました。内視鏡を用いる検査があることをお伝えしたのですが、他にはどのようなものがあるのかを調べてみました。
●ピロリ菌の検査ってなにがあるの?
早速、各検査法を表にまとめてあります。↓
各検査法の比較
検査法 | 長所 | 問題点 | |
侵襲的検査法 | 培養法 | ・特異性が高い ・菌株の保存タイピングが可能 ・薬剤感受性試験が可能 | ・判定まで4~7日 ・採取エラーが起こる可能性あり |
鏡検法 | ・特異性が高い | ・菌量が少なければ偽陰性 ・採取エラーが起こる可能性あり | |
迅速ウレアーゼ法 | ・迅速かつ簡便 ・判定に技術を要さない ・比較的安価 | ・除菌後の偽陰性 ・採取エラーが起こる可能性あり | |
PCR法 | ・高感度 ・遺伝学的多様性の研究可 | ・コンタミネーション ・死菌、生菌の区別がつかない ・手間がかかる | |
非侵襲的検査法 | 抗Helicobacter pylori 抗体 | ・迅速かつ簡便 ・疫学的調査に有効 | ・過去の感染に対して偽陽性 ・除菌後の偽陽性 |
13C尿素呼気試験 | ・迅速かつ簡便 ・高精度 | ・尿素の服用方法、体位、口内細菌などで偽陽性 | |
便中Helicobacter pylori抗原 | ・現在の感染を反映 | ・Helicobacter mustelaeとの交差性 |
※侵略的検査と非侵略的検査の違いですが、侵略的検査は体に負担がかかる検査(Ex,血液検査、内視鏡など)で、非侵略的検査とは体に負担がかからない検査(Ex,呼気検査、尿・糞便検査など)と分かれています。
呼気検査と内視鏡以外にも、色々と検査方法があるみたいですね・・・。
また、当薬局に来られる、ピロリ菌検査を行なった方はの大多数が呼気試験でしたので、呼気試験について詳しく調べました。
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■尿素呼気試験
①実施手順
1.ユービット服用前に呼気を採取 ※ユービットとは、検査前に服用する、呼気試験用の錠剤です。
2.ユービット1包を水100mlに溶かし空腹時に服用
3.服用後直ちに口腔内を水で2~3回洗浄して吐き出し、口腔内に残存する尿素(13C)を排除する。
4.洗浄後5分間左臥位の姿勢を保つ
5.その後15分間座位の姿勢を保つ
6.ユービット服用20分後の呼気を採取
7,服用前と服用後の呼気中13CO(213CO2/12CO2比)を測定し、その変化量(Δ13C)を算出し判定する。
※13CO、12COの12、13は、本来Cの左上(質量数を表す)にくる数字ですが、表記方法が分からず下に記載致しました。読みにくくて申し訳ありません・・・。
②ユービットの使用上の注意
1.副作用:0.5%未満で消化器(腹部膨満感、下痢、心か部不快感)
2.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
投与しないことが望ましい。(安全性は確立していない)
3.小児等への投与
使用経験はない
4.オメプラゾールやランソプラゾール等のプロトンポンプインヒビター、アモキシシリンやテトラサイクリン等の抗生物質、ビスマス製剤及び抗ウレアーゼ活性のあるエカベトナトリウム等の服用中や中止直後では、偽陰性になる可能性があるため注意を要する。
5.除菌判定を行う場合には、除菌治療薬剤投与中止後、4週以降の時点で実施することが望ましい。
③基準値: 2.5‰未満
※‰(パーミル)とは、1000分の1を表す単位になります。
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呼気試験は、簡単だし体に負担がかからないし、広く実地されているのも納得致しました。
ピロリ菌はほっておくと胃がんの原因にもなる奴ですので、気になられたらお近くの病院で検査をされてみるのが良いと思います。
私も、最近胃痛がするので、仕事に折り合いをつけて検査をしてもらおうかと考えております(泣)
では!今回はこの辺りで終わりにしたいと思います!また次回、お会いしましょう!!