昨日、とあるメーカーさんが薬局へ来局し、ジェネリック医薬品についてのアンケート調査へ協力致しました。
話の流れで、「厚生労働省のHPなんて、見ませんよね!?」なるセリフをメーカーの方からの生の声を頂きました。
医療関係者でさへ、厚生労働省のHPをチェックし、政策やら注意喚起について見ている方が少ないのに、いわんや一般の方おや・・・・。
なつかしの古文の知識も入れつつ、本題へ戻りたいと思います。
こんばんは、藤松です。今回は「ノロウイルス」についてお伝えしたいと考えております。
今回最初に記載させていただいたなかでお伝えしたいのは、厚生労働省はインフルエンザやノロウイルス等、流行性の病気に対して、発生状況やら予防策やら、多くの情報を発信しているということです。
(言っておきますが、厚生労働省とは一切関係ありません・・・)
厚生労働省 ノロウイルスについて↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
さて、上記リンクを開いていただくと、たくさんの項目が列挙されており、じっくりと読む時間がない方へ、重要な点のみに絞り記述したいと思います。
「ノロウイルスとは」
①感染力が非常に強いウイルスで、②感染すると酷い下痢・嘔吐が2~3日続くけど、それで治ります!!
・・・非常に簡単に書きました。
さて、上記だけではかなり乱暴な書き方なので、少々補足をしたいと思います。
まず、「①感染力が非常に強い」という箇所についてお話したいと思います。
ノロウイルスは、牡蠣から感染するものが大半を占めており、他の貝や飲料水からも感染することがあります。
しかし、ノロウイルスは本来、牡蠣・貝にもともと存在するウイルスではありません!!(もちろん、飲料水にも)
では、どうして牡蠣や貝にノロウイルスが潜伏するのか?どこからノロウイルスはやってくるのか??
それは、感染者の糞便に含まれるノロウイルスが、浄化槽の浄水作用を潜り抜けて河川に流れ込み、海へ流れ、牡蠣・貝が取り込んでしまうというところが原因となります。
いかがでしょう?下水に流し、浄化槽をも潜り抜け、さらに川を流れて海まで生きているというだけで、かなり感染力が強そうではありませんか?
牡蠣・貝以外の感染源としては、感染者の糞便・嘔吐物からウイルスが拡散してしまうことが原因となります。
さて、この強い感染力に対する予防策になります。
まず、牡蠣・貝になりますが、ノロウイルスを殺す方法は加熱です!!
85℃以上の熱で、中心部までを1分間以上は加熱することと推奨されています。生牡蠣は美味しいのですが、この時期はじっくりと焼いた牡蠣にしましょう。
次に、感染者の糞便・嘔吐物はどのようにしたら良いか?
ちなみに、こちらのウイルスは、アルコールでは死にませんので注意して下さい!!
「0.1%の次亜塩素酸ナトリウム」で処理をすることが重要になります。
※処理の際は、二次感染予防のために必ずマスクをして下さいね。
ドラッグストアに1%の次亜塩素酸ナトリウム液が販売されておりますので、原液に対して10倍の水を入れれば出来上がりです。
こちらで、感染者の糞便・嘔吐物を念入りに拭き取るようにしましょう。この際、ドアノブやサッシなどの金属部分を拭いた際は、必ず水拭きを行い次亜塩素酸ナトリウムを拭き取りましょう。ほっておくと、金属が腐食されてしまいますので、ご注意下さい・・・。
<注意!>
感染者の糞便からは、2週間程度はウイルスが検出されます!長いときは1ヶ月ほど続いたというデータもありますので、くれぐれもご注意下さい。
そして、普段の予防はといいますと、「石鹸での手洗い・しっかりとしたうがい」に尽きます。
どちらもしっかりと行うことで、ノロウイルスを含め多くのウイルスを流す事ができるので、要所で必ず行うようにして下さい。
次に、「②感染すると酷い下痢・嘔吐が2~3日続くけど、それで治ります!!」の部分になります。
現状、ノロウイルスを殺す薬は存在しません。下痢・嘔吐でウイルスを出してしまうのが、治す方法となります。
通常、ノロウイルスに感染したら、1~2日間体内へ潜伏し、発症するという経過を取ります。
症状は人それぞれで、ホントに重症な方もいれば、軽い風邪のような症状で終るケースもあります。
さて、下痢や嘔吐が酷いので、下痢止め・吐き気止めを服用したくなると思います。
しかし、それらを服用してしまうと治りが遅くなることがありますので、必ず医師に診断してもらってから使用するようにして下さい。
また、お子様や高齢の方は、下痢・嘔吐が長引くと脱水症状になってしまうので、OS-1やアクアライトORS(小さなお子様向け)といった、経口補液を摂取して防ぎましょう。
※経口補液を一気に飲ませてしまうと、胃を刺激する事になり、嘔吐の原因となるので、必ず1口ずつ慣らせながら飲ませるようにして下さい!!
以上、予防策と感染した際の心構えについて、簡単に記載させて頂きました。
どんなに予防しても、防ぎきることは不可能と私は考えます。しかり、知識をもって対処すれば、感染する可能性は少なくなりますし、リスクも抑えられると思いますので、どうぞ皆さん、この時期は注意なさって下さい。
長文にお付き合い頂きありがとうございました。ここ2回ほど冬の感染症について記載させていただいたので、せっかくなので次回は、冬の感染症で最も危険で有名な「インフルエンザ」について記載したいと思います。
では、次回また宜しくお願い致します。